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そんな状況の中でも、韓国の大衆音楽に影響を与えた日本人アーティストはいる。その代表格は、安室奈美恵だろう。 韓国において、安室奈美恵は日本の音楽をよく知らない人でも一度は名前を耳にしたことがある歌手だ。韓国でも「実力派アーティスト」として認識されている。多くの韓国の芸能人の憧れの的でもあり、実際に韓国の女性ソロ歌手がスタイリングなどで参考にしている事例でもあった。 さらに、韓国人に広く知れ渡っているアーティストといえば「ZARD」だ。 ボーカル・坂井泉水の高い歌唱力と魅力的なルックス、老若男女問わず共感できる楽曲に、今でも彼女を応援する人が多い。彼女が主題歌を歌うアニメ『名探偵コナン』は韓国でも人気があるため、いまも若い世代が耳にしている。そのため、新たなファンが生まれ続けているのだ。誰にでも推薦できる「普遍的な日本音楽」の代名詞として、いつの間にか定着した。 韓国人が日本音楽を嫌っていない"証拠"とは? 韓国人が日本音楽を決して嫌いではないことを示す別の"証拠"もある。それは、韓国人アーティストによる、日本の楽曲のリメイクのヒットだ。 代表的な楽曲が、中島美嘉の「雪の華」。パク・ヒョシンによってリメイクされ、曲はもちろん歌手本人も注目を集めた。しかし、韓国ではその原曲が中島美嘉の曲であることは、あまり知られていない。 TUBEの「ガラスのメモリーズ」をリメイクしたCANの「わが人生の春の日は」、広瀬香美の「日付変更線」をリメイクしたM. C the MAXの「幸せにならないで」、尾崎豊の「I LOVE YOU」をリメイクしたPOSITIONの「I LOVE YOU」、平井堅の「瞳をとじて」をリメイクしたチョン・ジェウクの「じっと目を閉じて」などは、韓国で大人気を博したにもかかわらず、オリジナルがあまり知られていないケースだ。 韓国ではやや"辺境"に追いやられた日本音楽だが、その中でも、日本国内よりも韓国ではるかに大きな影響力を見せるアーティストも出てきている。 ここ数年間で、韓国で最も大きな観客動員力を見せてきた日本人アーティストは、「SPYAIR(スパイエアー)」だろう。韓国で知名度の低かった時代から公演などを通じて徐々に知名度を高め、2018年には約3000席規模の公演を完売させるバンドに成長した。韓国では「ONE OK ROCK」に劣らない人気を見せている。 さらに「KK」という名で活動していた上北健の来韓公演も話題を呼び、約3年にわたって4回も2Days公演を開催した。 韓国でこれから人気がでる音楽とは?