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質問 高LDLコレステロール血症なので、動物性脂肪を控えるように指導されました。どちらかというと肉より魚が好きですが、魚の脂も体に悪いのでしょうか? 回答 高LDLコレステロール患者さんが控えた方がよい動物性脂肪とは肉の脂を指し、魚の脂は含まれません。魚の脂は積極的に摂取しても大丈夫ですが、適切な摂取量を守りましょう。 動物性脂肪には、肉の脂と魚の脂があります。肉の脂には、血中コレステロールを増やす働きをもつ飽和脂肪酸が含まれ、一方、魚の脂には血中コレステロールを減らす働きをもつ不飽和脂肪酸が含まれています。さらに、魚の脂に含まれる不飽和脂肪酸にはEPA(エイコサペンタエン酸)という成分があり、この成分が血中コレステロールを下げ、結果的に心臓病のリスクを下げることが確認されています。不飽和脂肪酸は、植物性脂肪にも多く含まれていますが、EPAは魚の脂に特徴的な成分です。しかし、魚の脂も取り過ぎると血液が固まりにくく、出血すると止まりにくいなどの作用があるので、適切な摂取量を守りましょう。 ※ このコラムは、掲載日現在の内容となります。 掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。 この記事をシェアする 商品のご購入はこちら
低脂血症は,原発性(遺伝性)または二次性の因子によって引き起こされる血漿リポタンパク質の減少である。通常は無症候性で,ルーチンの脂質スクリーニングで偶然に診断される。二次性低脂血症の治療は,基礎疾患の治療である。原発性低脂血症の治療は不要であることが多いが,一部の遺伝性疾患を有する患者では,高用量のビタミンEのほか,食事による脂肪および他の脂溶性ビタミンの補給が必要である。 低脂血症は総コレステロール(TC)が120mg/dL未満(3. 1mmol/L未満)または低比重リポタンパク質(LDL)コレステロールが50mg/dL未満(1. 3mmol/L未満)と定義される。 原因には原発性(遺伝性)と二次性とがある。二次性の原因は原発性の原因よりもはるかに多く,以下の全てがある: 慢性感染症( C型肝炎 など)および他の炎症状態 造血器腫瘍およびその他の悪性腫瘍 低栄養 (慢性的な飲酒を伴うものを含む) 脂質低下薬を使用していない患者で予期しないコレステロールまたはLDLコレステロールの低値が発見されたときには,AST,ALT,および甲状腺刺激ホルモンの測定を含む診断的評価を進める;評価結果が陰性であれば原発性の原因が示唆される。 3種類の原発性障害があり,単一または複数の遺伝子変異によりLDLの産生が低下またはクリアランスが亢進する。 無βリポタンパク質血症 低βリポタンパク質血症 カイロミクロン停滞病 PCSK9 の機能喪失型変異は,LDL低値を引き起こす別の原因である。有害な結果も存在しなければ,治療も存在しない。 これは常染色体劣性遺伝疾患であり,カイロミクロンおよび超低比重リポタンパク質(VLDL)の生成に不可欠なタンパク質であるミクロソームトリグリセリド(TG)転送タンパク質の遺伝子変異により引き起こされる。食事中の脂肪が吸収されず,いずれの代謝経路のリポタンパク質も実質的に血清中に存在しない;総コレステロールは通常45mg/dL(1. 16mmol/L)未満,TGは20mg/dL(0. 23mmol/L)未満で,LDLは検出できない。 本疾患は,脂肪吸収不良,脂肪便,および発育不良を呈する乳児でまず気づかれることが多い。知的障害に至る場合がある。ビタミンEはVLDLおよびLDLを介して末梢組織に分配されるので,大半の患者は最終的に重度の ビタミンE欠乏症 を来す。症状および徴候には,緩徐な網膜変性による視覚変化,感覚神経障害,後索徴候(運動失調や錯感覚),ならびに測定障害,運動失調,痙縮といった小脳症状などがあり,最終的に死亡に至る恐れがある。 血漿中にアポタンパク質B(アポB)が存在しないことで診断がつき,腸生検ではミクロソーム輸送タンパク質の欠損がみられる。有棘赤血球増多は血液塗抹標本上の際立った特色である。遺伝子検査により診断を確定できる。 治療には高用量(100~300mg/kg,1日1回)のビタミンEを用い,食物脂肪およびその他の脂溶性ビタミンの補充も併せて行う。予後はしばしば不良である。 低βリポタンパク質血症は常染色体優性または共優性であり,アポBをコードする遺伝子の変異によって引き起こされる。 ヘテロ接合体患者は短縮アポBを有し,これはLDLクリアランスを速める。ヘテロ接合体患者には,TCが120mg/dL未満(3.